2015年12月29日火曜日

ごきげんさん 2015.12.29.

今日は、能楽大連吟「高砂」2015の本番でした。 去年は旧医院の火事の後始末で出られなかったので、リベンジの「高砂」でした。 会場は京都KBSホール。 舞台背面がとても美しいステンドグラスで彩られている華やかな会場でした。 ステンドグラス舞台の左側はアダムとイブの禁断の果実の場面が、 右側はノアの箱舟の場面が描かれていて、 まるでヨーロッパの大きな教会にいるかのような荘厳な雰囲気も漂ってきました。 リハーサルでは、予想通り?みんなの謡いが全然そろっておらず、こりゃぁ いかんなぁ と心配していましたが、いざ本番になると、ピタッとみんなの謡いがひとつになって、旧約聖書の彩りの中で颯々の聲となることができました。 今年で3回目参加の私の中ではベストの高砂だったと思います。 能楽大連吟「高砂」を体験すると、能楽という自分引き出しがひとつ増えます。 自分の謡いに合わせて、目の前で能衣装に能面をつけたシテ方が神舞を演じてくださるという経験は、実はすごいことなのです。 見るだけ&聴くだけだったお客さんが、謡う演者になってしまうのです。 能、歌舞伎、狂言へのアンテナがピーンと張ってきますので、能、歌舞伎、狂言とどんどんすれ違うようになります。 見る機会が増えるだけではなく、能や歌舞伎好きのお得意さまや上司と繋がるチャンスがやってきます。 特に「高砂」を謡えるようになると・・・ 結婚式で「高砂」を謡えます。誰もが知ってる結婚式の定番ですが、誰も謡えません=少々間違えても、誰もわかりません。待謡「高砂や」だけなら数分で終わります。最高のスピーチ&きっとみなさんの好印象NO.1ですよ。・・・結婚式に呼ばれていた会社役員が能を趣味としていたら・・・覚えめでたいですよね。 上司への餞別としても「高砂」を謡えます。「四海波」や「千秋楽」はお祝いソング:祝言です。 芸事が極めないとダメだ、と思ってしまいがちですが、ちょっとかじるだけでも、マナー:所作を学び取ることはできます。 この「かじり」が自分引き出しとなり、気品の素となります。 お茶にしてもお花(生け花)にしても聞香にしても、お免状をいただくことが必須ではありません。 お茶を点てられなくても、マナー良く&美味しくお茶をいただけたら、それは品格になります。 コップに野の花を一輪、挿す時、生け花をかじった人はやはりわかります。これも品格ですね。 大連吟「高砂」は、品格をアップするには、ものすごくコスパの良いお稽古です。 だからこそ、若い人たちに積極的に参加していただきたいと願っています。 来年は12月25日 京都 東本願寺で開催される予定だそうです。