2018年4月12日木曜日

ごきげんさん 2018.4.12.

(昨日の続き) 「まぁこの世の行く末は、この世に残る人たちに決めてもらいましょう。もう私が出る幕ではないわね」  そして覚悟していた死に際の悶絶を味わうことなく、スッと魂は身体を離れて宙に浮きました。  この世に横たわる亡骸を見下ろしながら 「なんて小さな婆だったんだろうね。顔もシワクチャじゃないかい。眉間に深いシワ寄せて、恐ろしい極悪人の顔してたんだね。これじゃ誰も近寄らないはずだわ」  恨みに満ちた魑魅魍魎が集まってくるのがわかりましたが、別に恐怖も後悔も感じません。 「どうせこれからずっと地獄暮らしなんだから、そうそう慌てることもないだろうに」  魑魅魍魎たちが一斉に何か怒鳴っていますが、聞く耳持たず・・・何も聞こえてきません。  不思議なフワフワした感覚に乗って、ゆっくりと上へと昇っていきました。 「地獄というのは下にあるものだと思っていたけど。まぁいいさ。なるようになるわ」  真っ暗だった夜空が夜明けを迎えたように、上空から青空が降りてきました。喚いていた魑魅魍魎たちがどんどん離れていきます。下を見下ろすと、案の定、後継者たちが無慈悲な殺し合いを繰り広げているのが見えました。憎しみの炎が江戸の町々を焼き尽くしていきます。すぐに炎は日本全国へ飛び火して・・・上海、ルソン、インドにも火の手があがりました。 「なんだ やっぱり地獄は下にあったじゃないかね。生きるも地獄じゃね」  生きていたのも死んでいるのも何だかバカバカしくなりながらも上へ上へと昇っていきます。 「お天道様が昇ってきたよ」  大きな眩しい光の玉がゆっくりと降りてきました。 「地獄というところは、やけに明るいところなんだね」  そして明るい光の中へ吸い込まれて・・・光の中心には優しく微笑む観音様が待っていてくれました。不思議な力に吸い寄せられるように観音様に近づいて、その大きく柔らかい腕で抱きしめられました。 「ごくろうさまでした。よくがんばってくれましたね」  意外な労いの言葉にビックリして言いました。 「ここは地獄じゃないのですかね」 「あなた方が言うところの極楽ですよ」と、優しい観音様の声が聞こえてきました。 「観音様、自慢じゃないけど、私はずっと極悪非道をやってきたのですよ。私なんか極楽に行けるわけないじゃないですか」 「その通りですね。これを見てごらんなさい」と言いながら、観音様がソッと頭を撫でて下さいました。  すると、とても懐かしい光景が思い出されてきました。  私の魂は観音様に呼ばれて雲の上にいます。他にもよく知った魂たち、時々ご一緒する魂たちも集められていました。観音様が私の魂に尋ねました。 「今回はこれまで以上の最悪な極悪人を演じてくれますか? あなたなら出来ますよ」  私の魂はうなづいています。 「この魂たちもいつものようにあなたをサポートしてくれますよ。みんな、存分に暴れてきてくださいね」  そして観音様から人生のシナリオを渡されました。そこにはこの世に終末をもたらすような悲惨な計画が描かれていました。 「観音様、さすがにここまでやると、この世は終わってしまうのではないですか?」  観音様は微笑みながら答えてくださいました。 「終わってしまうかどうかは、この世の人たち次第です。あなたたちは、この世の人たちひとりひとりの意識に世紀末を目の前にして、どちらの人生を選ぶのか? その選択のチャンスをもたらしてあげるのが今回の使命です。あなたのこの使命は、ひとりひとりのお金への我欲と権力という強大な支配欲への執着をあぶり出してくれます。  この世の人たちには3つの未来を用意しておきました。  ひとつは世界中が紅蓮の炎に焼かれて滅び去る未来です。戦争と病気と貧困がこの世の人たちを皆殺しにしてくれます。あなたたち悪党が最後まで権勢を振るう未来です。思い切り暴れて、この世の地獄を創ってきてください。  ふたつ目は、この世の人たちがあなたたち悪党の傍若無人な振る舞いに気づき、立ち上がり、自分たちの自由と平和を勝ち取っていく未来です。大暴れしていたあなたたち悪党は最後には打ち倒されます。そこまでがあなたたちの使命です。この未来では、この世の人たちはまだお金の我欲をどうしても捨てきれないために、貧富優劣の格差が残ってしまいます。権力と支配への欲望も形を変えて残ってしまい、大きな戦争と貧困と病気が続く未来になります。すべての人たちが幸せな笑顔になれるのは、この世の人たちにとってはまだまだ勉強不足で難しいことのようです。この世の人たちがこの未来を選んだら、地球という星の怒りが爆発するまで、またあなたたちに悪党の役目が何度も回ってきますね。  みっつ目は、この世の人たちがあなたたち悪党たちの好き勝手にさせてしまっていたのが実は自分たちのお金への我欲と誰かを支配したいという権力欲だったことに気づき、お金の我欲と権力支配欲を自ら断ち切った新しい世界を創造していく未来です。この未来では人間が持っている様々な能力の封印が解かれて、慈愛と光に満ちあふれた世界をあなた方が自由に創造していけるようになります。地球という星の役目も成就されて、あなた方は宇宙と繋がり、宇宙の恩恵を直接受け取れるようになります」  私の魂にも、私をサポートしてくれる魂たちにもワクワクした悦びの波動が高まっていきます。観音様は私たちの魂をその柔らかい両腕で包み込みながら言いました。 「あなたたちの宇宙は陰陽流転しています。あなたたちの魂も、この世に宿った生命も陰陽流転しています。  この世が陽の時は、あの世は陰で和合しています。あなたたちがこれから降りていくこの世は、長い間の陽が隆盛を極めています。  陽が極まれば陰陽流転で陰が生まれてきます。  陰陽が逆転する時流の節目をあなたたちは創り出します。  この世はずっと陽が支配してきました。陽とは男性生。左脳で分析し、パワーで支配する世界でした。お金と権力で支配する悪党たちが跋扈する世界でした。強い者が勝つ、大きい者が独占する、ずる賢い者が生き残る世界でした。  そんな太陽の者が唯一恐れたのは夜の魔人です。昼は陽、夜は陰。夜の魔人は念じる力に長け、呪術で陽の者たちを呪い殺しました。あなたもこれまで何度も、最後は呪詛死する悪党の人生を演じてきてくれましたよね。こちらから見ていても、なかなかの名演技でしたよ。  陰は女性生で和の世界です。慈愛と共感で互いに繋がっていきます。  今、この世の時流は大きく陰へとシフトします。その時流の変換点をもたらすのが、今回のあなたたちの役目だったのです。  時流は蕩々と陽の中を流れている間は、過去も今も未来も、それぞれの平行次元たちも穏やかに時空間を流れていきます。しかし陰陽が極まってくると、過去と未来と平行次元が今に収束してきて「今」だけになります。そして陰陽が究極まで極まると「今」から新しい未来が生まれます。  陽の時代に陰と繋がっていなければ、時流は見えてきません。古い世界に残ったまま、無残な最後を遂げることになります。  陽の時代に陰と繋がっていると、時流を俯瞰することができます。その際、お金の我欲と権力の支配欲が残っていれば、低い波動のままの未来世界を生きることになります。大きな戦争と貧困と病気が続く世界です。  お金の我欲と権力の支配欲を解脱できていれば、高い波動の未来世界を生きることができます。慈愛と光に満ちあふれた新しい世界の創造主になれます。  宇宙の陰陽流転は続きます。これまでは陰陽だけでしたが、新しい光の世界では、美だとか愛だとか悦びだとか・・・新しい一軸が陰陽に加わります。それを創造していきましょうね。そのためにも、まずは目の前の大節目を克服することです。  あなたたちは大悪党としてこの世で大暴れして、多くの人たちがお金や食の我欲と支配欲に目覚めることができるようにしてあげてくださいね。  私のもとへ戻ってきた魂たちは、みんな同じ波動の輝く光です。優劣も大小も新旧もない同じ魂たちです。ただ、それぞれの使命と天職に沿った色眼鏡を魂の目にかけてこの世へ降りて行くだけです。この世で大悪党を演じていけば、我欲とエゴはどんどん膨らみ濃厚な汚れとなって魂の色眼鏡にへばりつきます。魂の光がちょっとでも漏れ出てしまうと、大悪党になりきれませんからね。そこのところは皆さん、とてもうまく演じてきてくれるので、こちらからも安心して見ていられます。毎回、みなさんがどんな未来を創造してくれるのか、とても楽しみにしています。  もうひとつ、大切なことをお教えしておきましょう。  今回、みなさんが演じてくれた大悪党が闊歩した時流の大節目は、別の時代・・・過去にもあったし、未来にもある時流の大節目と波動的に繋がっています。  今回の時代も時流の大節目ですが、この世にはいくつもの同じような時流の大節目があって、それぞれが波動的に強く繋がっているのです。今回の時代の大節目でみなさんが選んだ未来は、当然ですが未来の大節目にも強く関わってきます。みなさんが今回の時代を生きながら、何か大きな流れ、時代を動かすパワーを感じたら、それはもっと前の過去での大節目の波動のパワーかもしれません。逆に未来の大節目の波動パワーが、今回のみなさんの背中を押すこともあります。   未来の大節目を生きている魂たちの波動がとても高ければ、今回のみなさんの大節目の波動パワーをポジティブなエネルギーとして受け入れることができるでしょう。もし、未来の魂たちの波動が低ければ、今回の皆さんの大節目の波動パワーに押し戻されて、未来はそこで終わってしまうことだってあります。  もちろんその未来の大節目の人生も、できるだけ今のみなさんの魂に演じてもらうつもりですから、未来が終わってしまうことはありませんが・・・きっと大丈夫でしょう。