2008年6月6日金曜日

星風通信 200606

 「どんな名医や名薬といえども、楽しい、おもしろい、うれしいというもの
  に勝る効果は絶対にない」

      中村天風

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糖尿病の食事療法&運動療法が長続きしないように、生活習慣病の「生活面」での治療を続けるモチベーションを保つのは、とても難しいです。
お薬を飲み続けるのは、ある意味、簡単です。薬さえ飲んでいれば大丈夫だ、という薬剤依存は、患者さんと医者の暗黙の了解になってしまっています。
治療=薬 がこの世の常識で、「生活面」の治療を熱心にしているとケムたがられて、やがて「常識的な」医者・病院に逃げていってしまいます。
楽なんですよね、薬さえ飲んでいれば・・・確かに。

今年に入って、顔や首の無侵襲のしわ取り手技に出会いました。
そうだ、これを使って生活指導すれば、モチベーションがどんどんアップしていくぞ! とワクワクしました。
しわ取り=美しくなる・若返る=みんなから「美しい・若い」と言われる=うれしい・何をやってもおもしろい・楽しく感じられる=もっと美しくなりたい・若々しくなりたい=ダイエットや運動をもっとしたくなる=生活習慣病は治ってしまう
という図式が浮かんできたのです。
名付けて「ツルっと@生活習慣病治療」
心も身体も合わせもって治療していく統合医療ならではの画期的な療法だと思いました。

しかし・・・ ・・・ ・・・
なぜ??? ??? ???

「楽しい、おもしろい、うれしいというものに勝る効果は絶対にない」
その通りだと思います。
天風さんが生きていた時代は、「楽しい・面白い・うれしい」が多くの人たちの心の中に、生活の中にいっぱいあったのです。大正生まれの患者さんたちは、日々の生活を楽しみ・喜び・感謝するのがとても上手だったなぁ、と懐かしく思います。
今のこの時代、高齢化だとか慢性の不況だとか貧富の差の増大とか、心を曇らせ、ネガティブな思考ばかりが浮かんで、とても「楽しみ・喜び・感謝する」余裕なんてないのかもしれません。特に大阪・門真のこの辺りは・・・。
でも、もしかしたら、昭和初めから終戦後までの「楽しい・おもしろい・うれしい」が禁じられた子供時代を生きてしまった方々の心の奥のトラウマが
「自分だけが楽しんではいけない・おもしろがってはいけない・喜んではいけない」の呪文で人生をがんじがらめにしているのかもしれません。
貧富の富の方の方々には、このトラウマのスイッチが入ることはありませんが、貧の方の方々(圧倒的にこちらが多いのですが)は、ガムシャラに働いてきた時代には、このトラウマはフリーズされていたのだけど、老後の生活に入って、幼少期と同じような「我慢」「仕方ない」「日々やっと」というフレーズがトラウマを解凍して、心の中で暴れさせてしまうのかもしれません。

「どんな名医や名薬といえども、楽しい、おもしろい、うれしいというもの
  に勝る効果は絶対にない」
それでもね、私はこの天風さんの言葉が真実だと思います。
人間って、そういうものだと信じています。
貧富に関係なく、そんな人たちが集って、楽しく・おもしろく・感謝しながら生活しているユートピアがどこかにあると信じています。
それはどこかな?
それを創り出すのかな?
まだまだ楽しみな人生なのです。自分の人生に、ありがとうです。